2014年10月30日木曜日

江戸小紋の文様『縞模様いろいろ』

江戸小紋・小紋・名古屋帯専門店 
     着 物 の む ら た や 


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武家に愛用された小紋ですが、時代の安寧とともに
その使用は急速に市井一般にも拡大していきました。

その中でも『江戸小紋』は大名に好まれた格の高いものから
細密な縞や幾何学柄、しゃれ柄まで数百種を数えます。

      精緻な縞模様をご紹介いたします        
毛万二つ割
毛万筋」(3㎝に21本の竪縞)より細
かく、毛髪を二つに割るほどの極細の意

雨縞
あめが降る様子を不規則に太細の縞で
表したもの。本来は織物の絣模様

南部縞

南部藩で織られた紬模様に因んだ縞。
1本の太縞と2本の細縞の組み合わせ

木賊縞

常緑シダ類で節のある茎が特徴の
木賊を模様化し、とぎれのある縞を表現

左手綱

太い斜線を平行に引いた縞が、馬の
轡の手綱に似る。右流れが左手綱

変わり竹縞

細い竹を模した縞模様。まっすぐでない
不規則な連続性に面白みがある。


縞模様でも色々な種類があることがお分かり頂けたと思います。
先日お客様とお話をしていた所、江戸小紋の万筋が好きだけど着るには
抵抗があるという事をおっしゃていられました。
ましてや、色を濃くするととても粋に感じて、着るには勇気がいるわ。・・・・
と・・・・

幾何学模様はいかがですか???とお尋ねした所、それならまだ着る勇気が
あるわ。・・・とおっしゃられましたので

鹿の子尽くし等いかがでしょう。
鹿子尽くし

鹿の背の白い斑紋を鹿子斑といい、
これを麻の葉風にアレンジした柄

色をお好きな色に替えて染めると無地感で着れます。紋を付けると格も上がり
ますので、お茶席にもよろしいと思います。

まだまだ江戸小紋の柄は沢山ございます。ほんの一部ですが、これから
まだまだ色々な柄をブログに載せたいと思っています。


                      本日のお薦め



11月に入りますと七・五・三でお宮参りがございます。そんな時是非お着物に
袖を通して見て下さい。いつもと違った装いでリフレッシュされると思います。
お子様もお喜びになるのではないでしょうか?
わたくしが、今日のむらたやのウィンドーを撮りました。ガラス越しですので車等
が反射して申し訳ございません。




秋も深まると結婚式のシーズンのように思えます。私も11月2日に結婚式に
出席します。又、お客様で数名結婚式があるのだけど・・・・とご相談を受けました。
皆様お着物にしたいと強く望まれ、お持ちのお着物にされたり、新しくお作りに
なられた方もいらっしゃいます。
先々の事をお考えになられて、新調される方が増えてきたようにも思えます。

嫁ぐ時にお持ちになられたお着物では、さすがに・・・・「無理かな」とお考えに
なられたみたいです。


結婚式のおよばれ、又、ご結婚によりお持ちになる晴れ着にいかがですか

結婚式のお呼ばれ等には是非お着物でお出かけください。新郎新婦のご両家の皆様から
  感謝されると思います。(着物は場を華やかにしてくれます。)




最近半襟の付け変えが出来ないと言うかその暇がないという方が
増えてきています。そんな少しのお仕事でも仕立て屋さんは快く
引き受けてくれます。そういう私も半襟付けをしない内の1人かもしれません。

分からない事がありましたらご相談を承っております。
是非お気軽にご相談してくださいませ。




江戸小紋・小紋・名古屋帯専門店 
     着 物 の む ら た や 

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                 ℡   0856-22-0095 (代表)
                 ℡       0856-22-0098 (ネット専用)


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2014年10月29日水曜日

江戸小紋の「文様」三役と定め小紋


江戸小紋・小紋・名古屋帯専門店 
     おしゃれキモノむらたや 
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最近弊社のお客様で、『やはり江戸小紋はいいわね。』・・・という言葉をお聞きします。
皆様、江戸小紋は高いと分かっていらっしゃる方が殆どですが、なぜ高いのかまでは、
まだまだ浸透していないようです。




【東京染小紋】

江戸小紋は、江戸時代に諸大名が着用した裃の染めに由来する小紋です。
現在は伝統柄で基本的には単色染め絹しか使わないという特徴の「江戸小紋」と
それに比べて自由な創作が特徴の「東京おしゃれ小紋」の二種類に分類されてい
ます。 1974年(昭和49年)5月25日伝統的工芸品に認定されました。

江戸時代、諸大名が着用したの模様付けが発祥で、その後に大名家の間で
模様付けの豪華さを張り合うようになり、江戸幕府から規制を加えられ、そのた
めに遠くから見た場合は無地に見えるように模様を細かくするようになりました。
結果的に、かえって非常に高度な染色技を駆使した染め物となったのです。
又、各大名で使える模様が固定化していきました。代表的な模様として
」(紀州藩徳川氏)、「行儀」「角通し」があります。(以上を「三役」という)




上から

 「鮫」  「行儀」  「角通し」 といった基本の小紋柄に始まり、一見無地と見える程の
より細かい柄へと進み さらに 裃専用の細かい柄の小紋が染められるようになりま
した。すると 甲斐の武田藩「武田菱」徳川家「御召十」加賀前田家の「菊菱」
いったように各藩が独自の「定め小紋柄」を制定して他藩の使用を禁止してゆきました。



武田菱

御召十

武家の装束の中で次第と江戸小紋が形成化して行く一方で、上流階級である武士の

衣装である小紋文様に憧れをもった裕福な町人を中心とする庶民の中にも衣類に
小紋の柄が取り入れられるようになりました。
 
次第に商人が形成的な武士の小紋に対し、じゆうで洒落た柄を江戸の旦那衆が着始め、武士の定め柄のように自らの好みの定文様を持つ豪商も現れてきました。


当初小紋は町人の世界では、黒や色無地に次ぐ男性の略礼装と用いられていましたが、次第に女性の着物として浸透してきました。このような広がりの中、江戸時代後半は「幾何学文様」・「草花」・「動物」・「昆虫」・「風物」・「道具」・・・等そのバリエーションと多様性は増していきました。


「松葉」(徳川氏
「御召し十」(徳川氏
「万筋」、「菊菱」(加賀藩前田氏)      
「大小あられ」(薩摩藩島津氏)             
「胡麻柄」(佐賀藩鍋島氏


 江戸小紋の魅力

細かくて精緻な柄と、文様の多様性です。
.
鮫や行儀、角通しと言った基本の小紋や
縞、草花、道具、幾何、文字・・・ 柄行には限りがありません。
弊社が染めて頂いている染工芸さんは、12万枚という数の伊勢型紙を
お持ちです。又独自のブランド・・・貞子好みがあり又おしゃれです。
.
一見、無地に見えるほどの細かい柄だから、その文様が立ちすぎることなく、
あくまでも控えめでありながら、実は大変にお洒落な柄、
そのさりげなさが、江戸小紋の魅力です。
.
シンプルな柄行ゆえに、帯の取り合わせも幅広く
さらっとお洒落着としてお召しになるのならば、染帯や名古屋帯を、
フォーマルにお召しになるのならば袋帯や、格のある名古屋帯を、
さらには紋を入れることで、色無地と同格に近くお茶席などでも重宝にお召し頂けます。
.
細かい白の目と相まって出てくる江戸小紋の色目は、
とっても柔らかい品の良い雰囲気のお着物姿となります。
.
江戸小紋の生地の両縁には、地色の色が出てきますが
その本来の地色と、生地の中の白と相まってくる色目を比べますと
どれだけおさえた雰囲気で色目が出てきているかよく分かることと思います。
本来の色の半分の濃さと考えられたほうが分かりやすいと教わりました。


さらには、細かい柄の江戸小紋は、同じように柄がつながっているとはいえ
型彫り、染め付けそれぞれの工程では、すべて手で行う作業のため
微妙な力の強弱が付いてきます。
.
間近で生地を見ているときには分かりにくいですが、
すこし離れてみたり、お着物姿になったときには
全体に自然とぼかした霞の様に色の濃淡が微妙に現れてきます。

帯合わせ、取り合わせ、顔うつり・・・
全てにその色目の柔らかさが出てくるため
江戸小紋ならではのお着物姿を楽しむことが出来るのです。
.
大変難しい技術がことさら出てきて主張するのではなく、
控えめにさりげなく出てくる面白さ
でもぱっと見たときに何とも言えない深み・・
.
難しい言葉で説明するのではなく、
お着物姿から自然と伝わってくる、そんな江戸の粋をお楽しみなって下さい。
.
 
        むらたやがお薦めする江戸小紋



 
 

同じきものです。帯だけを替えてみました。


 



帯を替えるだけで印象が変わります。


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2014年10月26日日曜日

江戸小紋を作る工程~型紙のこだわりと江戸小紋の柄

江戸小紋・小紋・名古屋帯専門店 
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江戸小紋のイメージ

若い方にお聞きしたところ『江戸小紋って年配の方が着るきものでしょ。』と
言われました。それは、多分江戸小紋のルーツが武士の裃から来ている
からではないでしょうか。

思えばわたしも幼いころ見ていたテレビの時代劇で必ず目にしていた
江戸小紋柄が目に焼き付いていて、若い方も同じで「江戸小紋は年配の
方をイメージしそしてお値段が高い。」そう感じているのではないでしょうか。


先日、むらたや とお取引のある東京染の専門の工場に出かけて色々と
取材をしてまいりました。

是非その観念を取り払って頂きたいと思い少しずつご紹介していきたいと
思います。


むらたやとお取引させて頂いている工房

都電荒川線の小さな駅「面影橋」で降りて、神田川沿いの遊歩道を進むと
静寂の中に佇んで(たたずんで)いる染め工房です。明治の初めから粋で
モダンな着物をつくり続けておられます。
                            

         
                                  

長い板の作業台がずらりと並び
さらに天井にも作業台がたくさん立てかけてあります。
この場所では型紙の彫刻と型付けの作業を行うそうです。























目糊は糯米粉(もちごめこ)と米ぬかを混ぜて蒸し、練って作ります。


 
こちらが、染料です。 

試験用蒸し器
 
染めた端布を入れて蒸し、思った色になっているかを確かめます。 

 
調整が済んだ色糊がずらりと並んでいます。

  
そしていよいよ型付け作業。
生地に型を乗せ、ヘラで糊を置いていきます。   

  


綺麗な模様が浮かび上がります。
糊が付いたところには染料が付かず、柄が浮き上がるというわけです。


糊を乾かす間に手が空かないよう、長板は天井に立てかけて乾燥させます。
最盛期は1人の職人さんが8枚もの長板を順繰りに型付けしていたとか。
それが回らないようだと「手が遅い!」と先輩から叱られる、というわけです。
厳し~。でもそうでないと熟練した腕は磨かれないのだと思います。


そしていよいよ染めの工程へ。


巻き取り時に染料が移らないように、おがくずがはたかれます。






















 染めが終わったら、染料を定着させるために蒸し上げます。









蒸しの後には糊と余分な染料を洗い落とします。
この工程を水元(みずもと)と言い、その昔は川で行っていたというわけです。

現在では地下水を使って洗い流します。
川での水元が禁止されたのは、東京オリンピックを控えた昭和30年代。
ちなみに現在では年に1回、夏に水元の体験イベントが行われています。



そして最後の工程である乾燥を経て、できあがりです。



出来上がり品です。



















このように手間暇を掛けて仕上げていきます。人の手で・・・・仕上げるのですから
どれだけ大変かお分かり頂けたのではないでしょか。


例で江戸小紋の柄の見本をお見せいたします。

 

代表的な柄
鮫・行儀・角通し です。


























                    本日のお薦め



いかがですか。いざという時の一着になると思います。



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