2015年1月27日火曜日

今どきの着物事情~保管方法

江戸小紋・小紋・名古屋帯専門店   
着物の む ら た や





最近カビに気が付いて・・・と言って持って来られます。
やはり最初に気が付くのは喪服が多いように感じます。
滅多に着るものではないですから、余り気にならないのです。
しかし、いざと言う時に出してみたらカビが凄かった。と言う
お話をお聞きします。折角作ってくれたお着物ですので
大切にしたいと言うお気持ちの方が多く、私共も何とか
して差し上げたいと思い試行錯誤しながら一緒に考えて
います。それが、我々呉服屋の務めではないでしょうか。
売るだけではなく、後あとのフォローを含めてのお客様との
繋がりが大切だと感じました。


むらたや 着物ワンポイント

カビについて・・・
きものを着用する機会が少ない現代では、保管中のトラブル
にも気を配りたいものです。特に留袖・喪服は、着用機会も
限られており、箪笥に眠っている事の方が多いと思います。
主なトラブルであるカビの発生の多くは保管中に起こっています。

カビが発生する条件
①温度  ②湿度  ③栄養分(汚れた繊維) 
④ 酸素(酸素がないと生きれない好気性菌)

カビの確認方法   
①  カビの臭いがする。   ②  白い粉が拭いている。
③胴裏や比翼地が黄色く変色している。(たとう紙の変色)
④黄変が左右対象に打ち合いを起こしている。       

発見後の処置について
カビの菌は一度ついてしまうと100%取り除くことは不可能です。
又、カビが見られるトラブルの場合、カビのしみ抜き作業だけ
では不十分と言えます。程度によりますが、カビの臭いや
白い粉が拭いているぐらいなら、きもの専門店にお持ちになられ
カビ取りクリーニングにより滅菌することで被害の拡大を防げます。白いカビは払い取るだけで見た目にきれいになりますが、
カビ菌を除去した訳ではない為、かならずといって再発生します。

胴裏・比翼地の黄変がある場合は、表生地の移る程度にも
よりますが、薄ければカビを取り丸洗いをして進行を防いだ上
で着用を続けるか、洗い張りをして胴裏、比翼地を交換したり、
染め替えという方法もございます。カビは強酸性の菌の為
カビのついた箇所のみ生地が劣化しており、濃く染まる傾向が
あります。(カビを除いた箇所の色抜けも強酸性菌によります。)
私共(むらたや)は、お客様にどの程度お直しをされるかを
京都の悉皆専門店でお見積もりを取ってご相談させて
頂いております。

カビの発生しやすいもの(注意したい商品)
大島紬・紬・藍染商品・胴裏・比翼地・帯全般・帯芯

商品の良し悪しに関係なく、生地自身に張りを持たせる為に
水溶性の糊を含ませる商品があります。これらがカビの原因
『呼び水』となり、湿気と混ざることでカビの育成に適した環境と
なります。上記に上げた商品管理には、特に湿気やシミ汚れへの対策が必要となります。又、紬等の先染め商品は、泥や草木染といった天然素材を用いて、酸化や醗酵によって染め上げられているため、菌の繁殖率は他の着物に比べ高くなります。

カビの対処法
① たとう紙に商品を一枚ずつ入れる。(カビの感染を防ぐ)
  ② シミが付いたままにしない。                   
カビだけでなく虫の発生も促します  
③ 風通しや虫干しを行う。   (新しいたとう紙に替える)
たとう紙の見極めは、糊のついている紐の部分が変色していらたら買い替え時期のサインと思っておいてください。








江戸小紋・小紋・名古屋帯の専門店 着物の む ら た や


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           mail     murataya@iwami.or.jp

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